歯周病は歯肉の赤みや腫れ、出血といった初期症状から始まり、放置すると歯を支える骨まで溶け始める疾患です。しかし、早期発見、治療によって、その進行を食い止め、健康な口腔環境を取り戻すことができるのです。
目次
■歯周病治療とは
歯科医院での歯周病治療は、歯周病の進行を止め、可能な限り健康な状態を取り戻すことを目的としています。一般的には以下の流れで進んでいきます。
◎初診時の検査
まずは歯周病の検査から始まります。歯周ポケットの深さを測定し、歯肉の状態、歯石の有無、そしてレントゲンを用いて歯槽骨の状態を確認します。
◎プラークコントロール
歯周病の原因となるプラークを徹底的に除去します。これには、専門的な機器を用いたクリーニングで、歯石をとるスケーリングや歯ぐきの中をきれいにするルートプレーニングが含まれ、歯肉の下の歯石も取り除きます。
◎歯周外科手術
進行した歯周病の場合、歯肉の再形成や歯槽骨の再生を行うためのとした外科手術が必要になることがあります。歯ぐきのフラップ手術や骨移植などがあります。
◎再評価とメンテナンス
治療後、定期的な再評価が行われます。これにより、治療の効果を確認し、必要に応じて追加の治療を行います。また、定期的な歯科医院でのクリーニングと自宅で行うケアにより、歯周病の再発を防ぎます。
この治療は、歯周病の進行を止めるだけでなく、口腔内の健康を維持し、最終的には歯を守るために不可欠です。治療内容は患者さまの状態に応じてそれぞれご提案いたします。
■治療の効果と期間
歯周病の治療効果は、個人の口腔内環境や治療によって異なります。軽度から中等度の歯周病であれば、数週間から数ヶ月で改善が見られることが多いです。しかし、重度の場合は、数ヶ月から数年の長期にわたる治療が必要になることもあります。
■歯周病治療後のケア
歯周病治療後のケアは、治療成果を長期にわたって維持し、再発を防ぐために非常に重要でありこれも治療の一部です。
◎正しいブラッシング
歯周病の再発を防ぐためには、正しいブラッシング方法を身につけることが不可欠です。歯科医師や歯科衛生士による指導を受け、毎日のブラッシングを適切に行いましょう。毎日歯磨きをしていると思っていても案外磨けていないことは多いものです。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯と歯の間や歯周ポケットを清潔に保ちます。
◎定期的な歯科検診
治療後も定期的に歯科検診を受けることで、再発や他の歯の問題も早期に発見することができます。治療は早く行うに越したことはありません。
◎食生活の改善
バランスの取れた食事は、歯周病の予防に役立ちます。特にビタミンCやカルシウムを含む食品を積極的に摂取しましょう。
◎禁煙
喫煙は歯周病のリスクを高めるため、歯周病の治療を機に禁煙がベストです。
歯科医院での定期的なケアと自宅でのセルフケアが、健康な口腔環境を維持するためには不可欠です。
【歯周病は継続的なケアが治療のポイント】
日々のブラッシングや定期的な歯科検診は、単なる習慣ではなく、健康な生活を送るための基盤となります。歯周病は適切な治療と日々のケアによって、その進行を抑えることができます。