4月にお届けした記事では、第一期矯正におけるインビザライン・ファーストの概要をご紹介しました。
今回はその続編として、より具体的な「費用」「治療期間」「適応条件」などを詳しく解説していきます。
目次
■インビザライン・ファーストとは?【簡単におさらい】
インビザライン・ファーストは、6〜10歳頃の乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)に行う小児向けマウスピース矯正です。
従来の取り外し式装置やブラケット矯正とは異なり、透明で目立ちにくく、痛みも比較的少ないのが特徴。成長中の顎の幅を広げながら、将来の歯並び・噛み合わせの土台を整えていきます。
■費用の目安はどれくらい?
インビザライン・ファーストは自費診療のため、費用は歯科医院によって異なりますが、全国的な相場としては以下の通りです。
◎トータル費用の目安
40〜60万円前後(税込)が相場で、検査・診断料、調整料、保定装置代が含まれている場合が多いですが、事前に費用の内訳は必ず確認しましょう。
分割払い(デンタルローン)に対応している医院も多く、家計への負担を分散できます。
■治療期間はどのくらい?
第一期治療(小児矯正)は、永久歯が生え揃う前に行う骨格誘導を目的とした矯正です。
◎インビザライン・ファーストの場合、治療期間の目安
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・治療期間:おおよそ1年〜1年半程度
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・通院頻度:5〜2ヶ月に1回が基本
※治療期間や通院頻度は症例によって異なります。
成長に合わせた計画変更やマウスピースの再設計も可能なため、柔軟な治療が可能です。
■適応条件は? どんな子どもが対象になるの?
インビザライン・ファーストはすべてのお子さまに適しているわけではありません。
◎適応条件
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・6歳以上で、乳歯と永久歯が混在している
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・前歯(2-2)が永久歯に生え変わっている段階
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・装置の自己管理がある程度できる(マウスピースの装着・取り外し)
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・骨格の成長が期待できる時期である
◎対応している歯並び
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・出っ歯(上顎前突)
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・受け口(反対咬合)
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・すきっ歯
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・軽度のガタガタ(叢生)
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・あごの幅が狭い など
ただし、著しい骨格的なズレや重度の不正咬合には向かないこともあるため、歯科医師の診断が重要です。
■インビザライン・ファーストが向いているケース
マウスピース矯正は「見た目の美しさ」だけでなく、将来の歯の抜歯リスクを減らすことや、第二期(中高生〜成人)矯正をスムーズに進めるための準備としても有効です。特に、以下のようなご家庭におすすめです。
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・学校や習い事などで「目立たない矯正」を希望される方
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・お子さま自身が矯正に前向きで、モチベーションがある方
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・できるだけ将来の矯正を短く・軽く済ませたい方
【早めの相談で将来の選択肢が広がる】
インビザライン・ファーストは、見た目のストレスが少なく、お子さまの負担も軽い矯正方法のひとつ。ただし、すべてのお子さまに適応するわけではなく、歯や顎の状態に応じた判断が必要です。
まずは専門の矯正歯科でカウンセリングを受け、現状と今後の選択肢について相談してみましょう。治療開始のベストタイミングを逃さないためにも、早めの情報収集が大切です。