「インビザラインで矯正中だけど、Eラインって良くなるの?」
「口ゴボを治したいけど、マウスピースでも対応できる?」
そんな疑問をお持ちの方へ。
今回は、「Eラインとは何か」から、マウスピース矯正でどこまで整えられるのかを、歯科医師の視点でわかりやすく解説します。
横顔の美しさを意識して矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■Eラインとは?
Eラインとは、「エステティックライン」の略で、鼻先と顎先を結んだ直線のこと。
このライン上に上唇と下唇がどの位置にあるかによって、横顔のバランスが評価されます。
理想的とされるのは、上唇がEラインよりわずかに内側、下唇もそれに沿うような位置にある状態です。
唇が前に出すぎていると、「口元がもっこりしている」と感じられ、いわゆる「口ゴボ」と表現される状態になります。
■口ゴボとは?
「口ゴボ」とは、上下の唇や前歯が前方に出ていて、顔の輪郭に対して口元が突出して見える状態です。
見た目の印象だけでなく、「口が閉じにくい」「横顔が気になる」といった機能面・審美面の悩みにもつながります。
口ゴボの原因はさまざまで、
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・前歯の傾きや配列
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・顎の骨のバランス
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・唇や舌の癖(口呼吸・舌突出癖)
など、歯並びだけでなく、骨格や習慣の影響も受けて起こることがあります。
■マウスピース矯正でもEラインは整えられる?
答えは「症例によって可能」です。
インビザラインなどのマウスピース矯正では、前歯を後方に下げる動き(遠心移動・圧下など)もコントロール可能で、軽度~中等度の口ゴボであれば改善が期待できます。
ただし、どの程度改善できるかは、口ゴボの原因によって異なります。
◎ 歯並びが原因の口ゴボなら可能性あり
前歯が前に傾いていたり、でこぼこに並んでいたりする場合は、歯を適切な位置に整えることで、唇のラインも自然に後退し、Eラインが整う傾向があります。
このようなケースでは、インビザラインでも対応可能なことが多いです。
◎ 骨格が原因の場合は限界も
上下の顎が前に出ている、または顎が小さくてバランスがとりづらいといった骨格性に問題がある口ゴボは、歯の移動だけで大きな変化を求めることが難しい場合もあります。
その際は、外科矯正やワイヤー矯正との併用が必要になるケースもあります。
◎抜歯が必要になることも
歯を後ろに下げて口元を引っ込めるためには、歯がきれいに並ぶスペースの確保が不可欠です。そのため、インビザラインでも抜歯を伴う治療計画が立てられることがあります。
「非抜歯で自然に治したい」という希望も多いですが、理想的な横顔(Eライン)を目指すには、どうしても抜歯が必要に場合も。
診断次第で選択が変わるので、希望だけで判断せず、担当医としっかり相談することが大切です。
【マウスピースでもEライン改善は可能。ただし“適応”がカギ】
マウスピース矯正でも、Eラインの改善は十分に目指せるケースがあります。
特に、歯並び由来の口ゴボであれば、非抜歯でも自然な口元を目指せることも多いです。
一方で、骨格のバランスや口元の厚みが原因の場合は、矯正だけでは限界があり、別のアプローチが必要になることも。「自分の横顔が気になる」「口元を下げたい」と感じているなら、まずは専門医による精密な診断を受けることをおすすめします。
きれいなEラインは、ただ歯を並べるだけではなく、全体のバランスと機能の両立を考えてこそ実現できるもの。見た目も、噛み合わせも大切にする矯正治療を、ぜひ検討してみてください。