日本では、歯医者に行くというと痛くなってからというイメージがありますが、海外ではそうではありません。海外では、歯医者には予防のために定期的に通うのが当たり前です。特に欧米では、歯医者での治療は自費診療が多く、高額になることが多いです。そのため、予防に力を入れて、治療費を節約するという考え方も浸透しています。
日本でも、歯科予防の重要性を認識し歯医者での定期検診を受ける習慣を身につけるとさまざまな良いことがあります。今回は予防処置についてお話します。
■予防処置のメリット
◎事前にむし歯や歯周病を防ぐ
予防処置のメリットはたくさんあります。まず、歯の痛みや出血などの不快な症状を防ぐことができます。歯の痛みは、日常生活に大きな影響を与えるだけでなく、心身のストレスにもなります。出血は、歯周病の進行を示すサインであり、放置すると歯がグラグラになったり、抜け落ちたりする恐れがあります。これらの症状を予防することで、歯とお口の健康を維持することができます。
◎歯の寿命が延びる
次に、歯の寿命を延ばすことができます。歯は一度失うと、元に戻すことはできません。入れ歯やインプラントなどの人工的な方法はありますが、自分の歯にはかないません。自分の歯で噛めることは、食事の楽しみや栄養摂取にも大きく関わります。予防処置を行うことで、歯を失うリスクを減らし、自分の歯で一生食べられるようにすることができます。
◎長期的な目で見ると予防したほうが得
歯の治療は、保険が適用される場合でも、自己負担がかかります。また、保険が適用されない場合もあります。例えば、むし歯の詰め物や被せ物は、保険適用のものと自費診療のものがありますが、自費診療のものの方が耐久性や見た目が良いとされています。しかし、自費診療のものは高額になることが多いです。予防歯科を行うことで、むし歯や歯周病になる確率を下げ、治療費を抑えることができます。
■予防の方法
予防には、自宅で行うセルフケアと、歯医者で行うプロフェッショナルケアの2つがあります。
◎セルフケア
セルフケアとは自分自身で行う歯とお口のケアのことです。毎日の歯磨きはもちろん、フロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどを使って、歯の表面や歯と歯の間、歯ぐきの隙間など、細かい部分まできれいにすることが大切です。また、食事や飲み物の選択も気を付けましょう。甘いものや酸っぱいものは、歯にダメージを与えるので、摂りすぎないようにしましょう。水やお茶などの無糖の飲み物がおすすめです。
◎プロフェッショナルケア
プロフェッショナルケアとは、歯医者で受ける歯とお口のケアのことです。歯科医師や歯科衛生士が、歯とお口の状態をチェックし、専門的機械を用いて、必要な処置を行います。例えば、歯のクリーニングでは、歯の表面や歯と歯の間に付着したプラークや歯石を除去します。プラークや歯石は、歯ブラシだけでは取りきれないので、定期的に歯医者で除去することが必要です。さらにフッ素塗布を行うことで歯を強くします。歯の再石灰化を促進し、むし歯の予防に効果的です。
また、歯の検査では、むし歯や歯周病の有無や進行度を確認します。レントゲンやCTなどの機器を使って、目に見えない部分も診断します。早期発見・早期治療が、歯の健康にとって重要です。
【歯医者で予防をはじめましょう】
痛くなる前から歯医者に通うことで、お口の健康を事前に守ることができます。セルフケアとプロフェッショナルケア、両方をバランスよく行うことが、予防処置のポイントです。
当院では予防処置を推奨しております。お気軽にご相談ください。