矯正治療をしたいけれど、痛みが不安という方も多いのではないでしょうか。痛みの原因や対処法を知っておけば矯正治療を安心して受けることができます。
■矯正中の痛みの種類と原因
◎歯が動くときの痛み
矯正治療は、歯に圧力をかけて歯槽骨という骨の中で移動させる治療です。歯が動くときには、歯の根元にある歯根膜という組織に刺激が伝わり痛みを感じることがあります。歯が動くときの痛みは、矯正装置を装着した直後や調整した直後に強く感じることが多く、数日から1週間ほどで徐々に軽減されます。
・対処法
歯が動くときの痛みは、鎮痛剤を服用することで和らげることができます。市販の鎮痛剤でも構いませんが、歯科医院で処方してもらえる鎮痛剤もあります。処方薬がある場合は、歯科医師の指示に従って使用してください。
◎矯正装置による痛み
矯正装置による痛みは、矯正装置が口内の粘膜や舌に接触することで起こります。矯正装置は慣れるまでには粘膜や舌を刺激したり傷つけたりすることがあります。この痛みは、装着した直後や交換した直後に強く感じることが多く数日から数週間で徐々に軽減されます。
・対処法
矯正装置による痛みは、装置との接触を防ぐことで和らげることができます。
矯正装置が刺激する部分にワックスを塗り、カバーをすることで、痛みをやわらげることができます。また口内炎の場合は軟膏を処方してもらうのも良いでしょう。
◎食事中の痛み
食事中の痛みは、食べ物を噛むときに歯や矯正装置に圧力がかかることで起こります。矯正治療は、噛み合わせを変える治療です。歯が動くことで噛み合わせのバランスが変わり、矯正治療中は、食事中にほほや舌を噛んでしまうことが多くなることがあります。また、固いものや粘着性のあるものを食べた場合には、矯正装置が外れたり壊れたりすることもあります。食事中の痛みも矯正装置を装着した直後や調整した直後に強く感じることが多く、こちらも数日から1週間ほどで徐々に軽減されます。
・対処法
- 食べ物
食事中の痛みは食べ物の選択や食べ方に注意することで和らげることができます。
矯正中は、柔らかいものや小さく切ったものを食べるようにしましょう。矯正中痛みがある場合は以下のような食べ物がおすすめです。
・お粥やスープなどの液状のもの
・ヨーグルトやプリンなどの乳製品
・野菜や果物のジュースやスムージー
・豆腐や魚などの柔らかいタンパク質
・パンやおにぎりなどの食べやすい炭水化物
- 食べ方
矯正中は、歯や矯正装置に力がかかると、痛みを感じやすくなります。そのため、食事中は、歯や矯正装置に力がかからないように噛むようにしましょう。食事の際は以下のポイントを意識してみましょう。
・前歯で噛まない
・両側の歯で均等に噛む
・食べ物をよく噛んでから飲み込む
・食べ物を口の中で動かさない
【矯正中の痛みとも上手に付き合いましょう】
矯正治療は歯並びや噛み合わせを治すために大切な治療ですが、痛みを伴うこともあります。しかし痛みの原因や対処法を知っておけば、矯正治療をスムーズに進めることができます。個人差がありますので、痛みの程度や頻度は人それぞれです。今回対処法を書きましたが、痛みが強い場合や長引く場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。