歯の健康を維持するためには、定期的な歯科検診が欠かせません。今回は、歯科検診の頻度、内容、費用、保険適用の有無、所要時間などについて詳しく解説します。

■歯科検診の頻度

一般的に、歯科検診は3ヶ月から半年に一度の頻度で受けることが推奨されています。ただし、個々の口腔内の状態やリスク要因によって適切な受診間隔は異なります。

例えば、むし歯や歯周病のリスクが高い方や、治療を開始したばかりの方は、1～2ヶ月ごとの受診が望ましい場合もあります。

一方、口腔内の健康状態が安定している方は、3～6ヶ月に一度の受診で十分とされます。自身の状態に合わせて、歯科医師と相談し、適切な受診頻度を決定することが重要です。

■歯科検診の内容

定期検診では、以下のような検査や処置が一般的に行われます。

◎口腔内の視診

歯や歯茎、舌、口腔粘膜の状態を目視で確認し、異常の有無をチェックします。

◎歯周ポケットの測定

専用の器具を用いて、歯と歯茎の間の溝（歯周ポケット）の深さを測定し、歯周病の進行度を確認します。

◎歯垢の染め出し

染め出し液を使用して、磨き残しのある部位を可視化し、セルフケアの改善点を指導します。

◎歯石除去（スケーリング・SRP）

専用の器具を用いて、歯に付着した歯石を除去します。

◎PMTC（プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング）

専用の機器と研磨剤を使用して、毎日の歯磨きでは落としきれない歯の表面を清掃・研磨し、汚れや着色を除去します。歯石除去と似ていますが、PMTCではむし歯や歯周病になるおそれがある部分の清掃を行います。

◎セルフケア指導

患者さまの生活習慣や歯磨き方法を確認し、適切なセルフケア方法を指導します。お口の状態は一人ひとり違うため、患者さまに合った磨き方をアドバイスしていきます。

これらの検査や処置を通じて、口腔内の健康状態を総合的に評価し、必要に応じて治療や予防策を提案します。

■歯科検診の費用と保険適用

歯科検診の費用は、保険適用の有無や受診する歯科医院によって異なります。一般的に、保険適用の場合、自己負担額は3割で、1回あたり2,500～3,000円程度となります。

ただし、口腔内の状況や検査内容によっては、レントゲン検査などが追加され、別途1,000～1,500円ほどの費用がかかる場合もあります。

一方、予防目的でのクリーニング（PMTC）などは自由診療となり、費用はクリニックによって異なりますが、60分～90分のクリーニングで8,000～15,000円程度が相場とされています。

■歯科検診の所要時間

定期検診にかかる時間は、受診する内容や口腔内の状態によって異なりますが、一般的には1時間～2時間程度が目安とされています。

初診の場合や、検査項目が多い場合は、所要時間が長くなることがあります。事前に歯科医院に確認し、時間に余裕を持って受診することをおすすめします。

【定期検診は大切です。お気軽にお越しください】

定期的な歯科検診は、むし歯や歯周病の早期発見・予防に非常に重要です。自身の口腔内の状態やリスク要因に応じて、適切な頻度で受診し、歯科医師と相談しながら適切なケアを続けることが、健康な歯と口腔環境を維持する鍵となります。