親知らずが生えてこない理由や、そのまま放置しても問題がないのか、疑問に思われる方も多いでしょう。今回は、親知らずが生えてこない原因、生えない人の特徴や確率、そして放置することの影響について詳しく解説します。
目次
■親知らずが生えてこない理由
◎顎の骨のスペース不足
現代人は顎が小さくなっているといわれており、親知らずが生えるための十分なスペースがないことが多いです。このため、親知らずが埋まったまま生えてこないケースがあります。
◎遺伝的要因
親知らずの元となる歯胚(しはい)が初めから存在しない場合もあります。これは遺伝による影響が大きく、親から子へと受け継がれることがあります。
■親知らずが生えない人の特徴と確率
また、一般的な推定値ではありますが親知らずが生えない人の割合は、約4人に1人とされています。また、親知らずがまっすぐ正常に生えてくる人は全体の約3割であり、残りの7割の人は斜めや横向きに生えるなど、問題を抱えるケースが多いとされています。
■親知らずを放置しても問題ないか
◎症状がない場合
痛みや腫れなどの症状がなく、他の歯や歯茎に影響を及ぼしていない場合は、直ちに治療を必要とせず、様子見となることもあります。
◎症状がある場合
痛みや腫れ、炎症などの症状がある場合は、放置すると隣接する歯や骨に悪影響を及ぼす可能性があります。このような場合は、早めに歯科医師に相談し、適切な処置を受けることが重要です。
特に、親知らずが斜めや横向きに生えている場合、隣の歯を圧迫し、歯並びの乱れやむし歯、歯周病の原因となることがあります。
また、親知らずが完全に埋まっている場合でも、嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の病変を形成し、骨を圧迫するリスクがあります。さらに、親知らずが歯茎の内部に埋まっていると、細菌が溜まりやすくなり、炎症を引き起こすこともあります。
親知らずは20代から30代にかけて生えてくることが多いですが、個人差があり、それ以前やそれ以降に生えてくることもあります。生えてこないからといって必ずしも問題があるわけではありませんが、違和感や痛みがある場合は早めに歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
【親知らずが生えてこなくてご不安な場合もご相談ください】
親知らずが生えてこない理由は、顎の骨のスペース不足や遺伝的要因が考えられます。生えてこない方も実際にいらっしゃいますし、特段珍しいことではないのです。
症状がない場合は経過観察で問題ないこともありますが、痛みや腫れなどの症状がある場合は、放置せずに早めに歯科医師に相談することをおすすめします。そして親知らずが生えていないからといって安心せず、定期的にレントゲン検査を受けることで、隠れたリスクを未然に防ぐことができます。