「ちゃんと歯磨きしているはずなのに、むし歯になる」
「毎日磨いているのに、歯茎が腫れやすい気がする」
そんなふうに感じたことはありませんか?実は、自己流の歯磨きが原因で、かえってお口のトラブルを招いているケースも多いのです。今回は、正しい歯の磨き方やタイミング、よくある間違いについて、わかりやすく解説します。
■正しい歯磨きってどんな方法?
歯磨きで重要なのは、「どこを」「どんな動きで」「どのくらいの力で」磨いているかということ。
自己流でゴシゴシ力任せに磨いていては、汚れが落ちにくいだけでなく、歯や歯茎を逆に傷つけてしまう恐れもあります。
まず大切なのは、歯ブラシの角度と動かし方。
歯と歯茎の境目に毛先を45度くらいの角度で当て、小刻みに、軽い力で細かく動かすのが理想的です。
奥歯の溝や歯の裏側、歯と歯の間など、汚れがたまりやすい場所を意識して丁寧に磨きましょう。そして意外と見落としがちなのが「磨く順番」。右上の奥歯から左へ、次に下の歯へ…というように、毎回同じ順で磨くクセをつけると、磨き残しが減ります。
■やってしまいがちな間違った歯磨きの方法
たとえば、以下のような歯磨きになっていませんか?
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・強く磨けば汚れが落ちると思っている
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・歯の表面だけささっと磨いて終わりにしている
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・1日1回だけ、夜しか磨かない
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・歯間ブラシやフロスは使ったことがない
これらはすべて、歯垢(プラーク:細菌のかたまり)が残る原因になります。
また、「歯をきれいにするためにゴシゴシ時間をかけて磨いている」という方も要注意。
長時間磨きすぎると、歯の表面を削ったり、歯茎が下がってしまうリスクもあるのです。
■歯磨きのタイミング、いつがベスト?
「夜寝る前に磨けばOK」と思われがちですが、実は朝と夜、両方とも大切です。
朝は、起きた直後の歯磨きが効果的。寝ている間に増えた細菌をリセットする意味で、朝食の前に一度磨いておくと口内環境が整います。
夜は、1日の汚れをしっかり落とす大切なタイミング。
とくに寝ている間は唾液の分泌が減って細菌が増えやすくなるため、就寝前の歯磨きは丁寧に行いましょう。また、間食や甘い飲み物のあとも、できれば軽くうがいをする、時間があれば歯磨きがきると良いでしょう。
■フロスや歯間ブラシは必須アイテム
歯と歯の間は、歯ブラシだけでは磨ききれない場所です。特に大人の歯では、歯間部のプラークが残りやすく、むし歯や歯周病の温床になります。
そのため、フロスや歯間ブラシは歯磨きとセットで使うのが理想。使い方が難しいと感じる方は、定期健診のときに使い方をレクチャーしてもらうと安心です。
【「毎日磨く」から「正しく磨く」へ】
歯磨きは“回数”ではなく“質”が大事。
どんなに毎日丁寧に磨いていても、方法やタイミングが間違っていれば、プラークは残ってしまい、むし歯や歯周病のリスクは減りません。
今日からは、ただ磨くのではなく、
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・歯ブラシの動かし方
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・歯と歯茎の境目、歯間のケア
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・タイミング(朝・夜・就寝前)
この3つを意識してみてください。
そして、半年に一度は歯科医院でプロのチェックを受けて、自分の歯磨きが合っているか確認する習慣を。正しい歯磨きが、あなたの将来の歯を守ります。