「朝起きたら顎がだるい」「寝てるときに歯ぎしりしていると親に言われた」
こんなサインがあったら、あなたも歯ぎしりや食いしばりを無意識に行っているかもしれません。
今回は、原因や症状、治療法、日常生活での対処まで、わかりやすく解説します。
目次
■歯ぎしり・食いしばりとは?
歯ぎしり(ブラキシズム)は、無意識に上下の歯を強くすり合わせる行為です。主に就寝中に起こることが多く、家族に指摘されて気づく場合が多いです。
一方、食いしばり(クレンチング)は、その名の通り歯を強く噛み締める状態で、日中、何かに集中しているときに起こりやすいとされています 。
■原因は? ストレス・噛み合わせ・習慣も
歯ぎしりや食いしばりの原因は人それぞれですが、代表的なものは以下の3つです。
◎ストレス
心理的緊張や不安が強い時、無意識に歯を噛み締めることでストレスを発散しようとする傾向があります。
◎噛み合わせの不具合や歯の位置ズレ
歯の高さの不一致や歯並びの乱れが原因で、歯や顎にバランスの悪い力がかかると、歯ぎしりを誘発することがあります。
◎生活習慣や癖
寝る姿勢、頬杖、日中の強い集中状態、スポーツ中の習慣的な食いしばりなども要因となることがあります。
■歯ぎしり・食いしばりを放置するとどんな影響がある?
歯ぎしり・食いしばりはよくある症状として軽く見られがちですが、以下のような状態につながることが多いです。
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歯の摩耗・破折:
歯の表面のエナメル質が削れひび割れや、むし歯治療などの詰め物が外れる原因になります 。
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知覚過敏:
歯の内部にある象牙質が露出し、冷たいものにしみる場合があります。
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顎関節症:
顎の関節や筋肉に負担がかかり、口を開ける際に痛みや「カクカク」とした音が出ることがあります。
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肩こり・頭痛・首の凝り:
口周りの筋肉は、首・肩などと連動しています。歯ぎしりや食いしばりなどで負担がかかると、筋肉が緊張し、全身に不調が広がるケースも。
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全身のだるさ:
睡眠の質の低下が慢性的な疲労や倦怠感につながることもあります。軽い症状だと感じていても、放置は症状の進行を招くため注意が必要です。
■歯ぎしり・食いしばりはどうやって治す?対処法まとめ
◎オーダーメイドのナイトガード(マウスピース)
就寝中に使用するナイトガード(スプリント)は、歯や顎にかかる負担を分散させる役割があります。
市販で購入できるナイトガードもありますが、歯科医院で作るオーダーメイドタイプでないと患者さま一人ひとりの歯にフィットしにくく、逆に負担が増えるリスクもあるため注意が必要です。
◎筋肉ケア(ストレッチ・マッサージ)
咬筋や側頭筋のこわばりが緊張の要因になるため、指で優しくマッサージするのが効果的です 。
◎ストレスマネジメント
就寝前にリラクゼーション(音楽、読書、軽ストレッチ)を行うことで改善を促します。体をリラックスさせることで心身が落ち着き、無意識の食いしばりや歯ぎしりが起こりにくくなります。
◎噛み合わせのチェック・矯正
噛み合わせに問題がある場合は、矯正治療を行うことで改善するケースもあり、総合的なケアが必要です。
◎自分で意識するセルフケア
日中に食いしばっていることに気づいたら、顎の力を抜くよう習慣づける自己暗示も行ってみましょう。
【気になるときにはまずは早めの相談を】
歯ぎしりや食いしばりは、歯の寿命や体の健康に深く関わる習慣です。
「自覚があまりないけれど、なんだか疲れやすい」「寝起きに顎の痛みがある」といった症状がある方は、早めに歯科医師に相談を。
まずは検診時にナイトガードの相談をするのがおすすめです。当院ではオーダーメイドの歯ぎしり専用マウスピースや、咀嚼筋の緩和アドバイスなどを通じて、一人ひとりに適したケアを提供しています。気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください!