歯が黄ばんでいる、歯が茶色くなる、歯がグレー・黒に変色している…
お悩みの方も多い、歯の着色・変色。
歯が着色・変色していると、お口の見た目が悪くなりやすいです。グレー・黒など、色によっては、歯の病気・トラブルが原因で歯が変色している場合も。
今回は、「歯が着色・変色することがある10の原因」をご説明します。10個と多いですが、できるだけわかりやすくご説明していますので、ご自身の歯の症状に当てはまるものがないか、確認してみましょう。
目次
■歯が着色・変色することがある10の原因
歯の外側からの原因
1.着色性の飲食物による歯の着色(ステイン)
以下のような、着色性のある飲食物を日常的に摂取している方は、歯が着色しやすいです。
日常的な着色性飲食物の摂取により、着色性物質と歯の表面のペリクル(タンパク質の膜)が結びついてしまい、歯が茶色・黄色に着色しやすくなります。
[主な着色性飲食物]
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緑茶、紅茶、コーヒー
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ワイン
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着色料を含む清涼飲料水
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キムチ
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カレー
など
2.むし歯による歯の変色
初期のむし歯(CO、C1)にかかっている方は、むし歯の箇所が白く濁ったり・茶色くなることがあります。C1の初期のむし歯でも歯の表面のエナメル質に穴が開くと、小さな黒い点が歯に現れる場合も。
C2以上のむし歯(C2、C3、C4)では象牙質に穴が開き、穴が開いた部分が黒くなります。
3.歯科用金属(銀歯)による歯の変色
銀歯の詰め物・被せ物を使い続けている方は、唾液の中に溶け出した銀歯の金属イオンにより、歯が黒く変色することがあります。
なお、歯科用金属でも金(ゴールド)やプラチナ、チタンは金属元素が安定しているため、比較的、歯の変色を起こしにくいです。
歯の内側からの原因
4.外傷による歯の変色
転倒や事故などで強く歯をぶつけた方は、歯が青くなったり、グレー・黒に歯が変色することがあります。
外傷で歯が変色するのは、歯の中に通う血を構成するヘモグロビンの組織変性によるものです。衝撃が強く、外傷によって歯の神経(歯髄)が死んでしまった場合は、歯髄組織の腐敗、および、腐敗による色素の浸透により、歯がグレー・黒に変色するケースも。
5.歯髄の病変による歯の変色
重度のむし歯で歯髄炎が進行したり、むし歯治療などで歯の神経を除去する治療(抜髄・断髄)を行った場合、歯が黒く変色することがあります。
むし歯のほか、前述のように、外傷などが原因で歯の神経が死んでしまい、歯が黒く変色するケースも。
6.加齢による歯の変色
元々、人間の歯の象牙質は黄色っぽい乳白色をしています(象牙(Ivory:アイボリー)のような色)。
元々黄色っぽい象牙質ですが、加齢によって象牙質の黄色味が強まり、歯の黄色さが目立つ方も。
7.テトラサイクリンによる歯の変色
歯が作られる形成期(胎生7週頃~生後~8歳頃)にテトラサイクリン系の抗生物質が含まれた薬剤を日常的に服用していた場合(妊婦さんからの胎児への影響orご自身での摂取)、歯が茶色・灰色に変色することがあります(テトラサイクリン歯)。
テトラサイクリン歯については、次回のブログで詳しくご説明します。
8.フッ素による歯の変色
歯が作られる形成期(生後~8歳頃)に大量のフッ素を摂取していた方は、歯が部分的に白く濁ったり、斑点状に歯が茶色くなることがあります(歯牙フッ素症)。
なお、日本では水道水にフッ素が含まれていないため、高濃度フッ素(1,000ppm以上)の歯磨き粉やフッ化物洗口液を用いても、歯牙フッ素症が起きる可能性は低いとされています。
9.全身性の疾患による歯の変色
歯が作られる形成期(胎生7週頃~生後4年頃)に、はしか・風しん・水ぼうそうなどの感染症にかかって高熱が出た方は、エナメル質が形成障害を起こし、歯が茶色く変色することがあります。
10.個性による歯の色(not 変色・着色)
歯の色は人それぞれです。生まれつき、象牙質の黄色味が強く、歯が黄色っぽい方もいらっしゃいます。
【歯の着色・変色でお悩みの方はお気軽にご相談ください】
歯の着色・変色に対しては、原因に応じて、歯科医院での治療で歯の色の改善にアプローチできます。
[歯科医院で行う、歯の着色・変色に対する改善のアプローチの仕方]
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セラミック治療
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ホワイトニング
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ラミネートベニア
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むし歯治療(むし歯が原因で歯が変色している場合)
など(※)
当院で行っている、歯を美しくするための治療については、ブログにてご説明しています。ぜひ、ご参照ください。
(※)クリニックにより、行う治療方法に違いがあります。