今回は「セラミックインレー・セラミッククラウンの違い」についてのご紹介です。

歯科医院やネット上で「インレー」「クラウン」という言葉を聞いたり見たことがある方も多いかと思います。

歯科治療においては、歯の詰め物のことを「インレー」、歯の被せ物を「クラウン」と呼び、区別しています。どちらも人工物で歯を補う点（＝補綴：ほてつ）は同じですが、それぞれに補綴物の形や対応できる歯の範囲が異なります。

■セラミックインレー・セラミッククラウンの違い

セラミックや銀歯など、素材に関わらず、歯科治療においては以下のようにインレー・クラウンを区別しています。

・歯を削った範囲が中程度の場合は「インレー（詰め物）」

・歯を削った範囲が大きい場合は「クラウン（被せ物）」

セラミック治療でも同様に、歯を削った範囲に合わせてセラミックインレー・セラミッククラウンを使い分けます。

■セラミックインレーに適したセラミック素材

セラミックインレーはセラミック製の詰め物です。歯を削った範囲が中程度の場合、以下の中から患者様の歯に適した素材を用いてセラミックインレーによる補綴を行います（※）。

（※）歯の状態によっては、歯を削った範囲が中程度でも

セラミッククラウンを用いることがあります。

・e-max

e-max（イーマックス）とは、高い透明感のある美しさとしなやかな丈夫さ（400Mpa前後）を併せ持つセラミックです。美しさとしなやかさを兼ね備えていることから、奥歯にe-maxインレーが用いられる場合があります。

｛削った歯の範囲の大きさや噛む力の強さによってはe-maxインレーが適さないケースも｝

奥歯のインレーに対応可能なe-maxですが、ジルコニアと比べると強度に劣るため、以下の場合はe-maxインレーが適さないケースも。

・歯を削った範囲が大きい（ジルコニア以外の素材では不安がある場合）

・噛む力が強い

・歯ぎしり・食いしばりの癖がある

・ジルコニア

ジルコニアとは、金属と同程度の硬さ（1000Mpa前後）を持つセラミックです。強度が高いため、噛んだときに力がかかりやすい奥歯にジルコニアインレーが適しています。大きな範囲のインレーにも対応可能です。

■セラミッククラウンに適したセラミック素材

セラミッククラウンはセラミック製の被せ物です。歯を削った範囲が大きくインレーでは歯を保護しきれない場合、以下の中から患者様の歯に適した素材を用いてセラミッククラウンによる補綴を行います。

・オールジルコニア

オールジルコニアとは、被せ物全体がジルコニアでできているセラミックです。強度が高いため、噛んだときに力がかかりやすい奥歯にオールジルコニアクラウンが適しています。

・e-max

e-maxは美しさとしなやかさを兼ね備えているため、奥歯のクラウンに用いることが可能です。審美性の高さから、奥歯の中でも目立ちやすい小臼歯（大臼歯の前にある奥歯）にe-maxクラウンが適しています。

｛噛む力の強さによってはe-maxクラウンが適さないケースも｝

奥歯のクラウンに対応可能なe-maxですが、ジルコニアと比べると強度に劣るため、以下の場合はe-maxクラウンが適さないケースも。

・噛む力が強い

・歯ぎしり・食いしばりの癖がある

・ダイヤモンドセラミック

ダイヤモンドセラミックとは、被せ物の内側のフレーム部分をジルコニアで作製し、ジルコニアフレームの外側を審美性に優れたポーセレンセラミックでカバーしているセラミッククラウンです。

ダイヤモンドセラミックは強度が高いフレーム、および、自然の歯の白さに近い美しさを兼ね備えており、奥歯のクラウンとして使用することもできます。

｛力がかかる奥歯にはダイヤモンドセラミックが適さないケースも｝

ダイヤモンドセラミックの外側に焼き付けてあるポーセレンは透明度が高く、自然の歯の白さに近い美しさを再現可能です。たくさんの種類があるセラミックの中でも、ダイヤモンドセラミッククラウンはトップクラスの美しさを誇ります。

優れた美しさがある一方、ダイヤモンドセラミックは外側部分に用いるポーセレンの強度が低め（100Mpa前後）です。強度が低いため、噛んだときに力がかかりやすい奥歯にはダイヤモンドセラミッククラウンが適さないケースがあります。

【以前と比べ、現在はセラミックの欠けや割れが起きにくくなっています】

以前のセラミックは強度が低く、インレー・クラウンが欠けたり割れることがありました。

現在は、美しさとしなやかさを併せ持つe-maxや金属と同程度の強度を持つジルコニアなど、さまざまなセラミック素材が登場しています。

素材と共に治療方法も進化しているため、以前と比べてセラミック製インレー・クラウンの欠けや割れは起きにくくなっています（※）。

「セラミックは壊れやすいのでは？」とご心配な方も、どうぞご安心してセラミック製インレー・クラウンをご検討ください。

（※）セラミック製の補綴物は欠けや割れが起きることがあります。セラミックに

よる補綴の際はインレー・クラウンを装着する歯を慎重に選び、

欠けや割れが起きないよう細心の注意を払いながら治療を行います。

– セラミック治療の無料相談を行っています –

ファミリアデンタルオフィスではセラミック治療に関するお悩みやご希望をお伺いしています。セラミックをご検討中の方はぜひ、当院の無料相談をご利用ください。