「ウチの子、生えてきたばかりの永久歯の前歯の先端がギザギザしているんだけど、これって歯の異常なの？」

お子さまをお持ちの親御さんは、子どもの、生えてきたばかりの永久歯の前歯の先端のギザギザが気になる…というケースがあるかもしれません。

なぜ、生えてきたばかりの永久歯の前歯は先端がギザギザしているのでしょうか？

■生えてきたばかりの永久歯の前歯の先端のギザギザは「切縁結節」による自然な現象です

◎通常、発育葉の名残により、生えてきたばかりの永久歯の前歯は先端がギザギザになります

人によって印象は異なりますが、先端に小さなギザギザがある前歯は子どもらしく、かわいらしさもありますよね。

子どもの永久歯の前歯の先端のギザギザの正体は、「切縁結節（せつえんけっせつ）」という自然現象です。

切縁結節とは、歯の発育過程に伴って生まれる発育葉（はついくよう）の名残（なごり）。

前歯の先端（噛み切る部分：切縁、切端）の発育葉は近心葉、中心葉、遠心葉の3つで形成されています。

3つの発育葉で形成されているため、通常、生えてきたばかりの子どもの永久歯は、発育葉の名残によって前歯の先端がギザギザした形になります。

切縁結節はどなたにも起こる自然現象です。自然現象のため、生えてきたばかりの子どもの永久歯の前歯の先端のギザギザに対しては、過度の心配は要りません。

◎通常は、自然に歯がすり減って前歯のギザギザが無くなっていきます

通常は、食べ物を噛んだり発音することでギザギザがすり減り、前歯の先端が平らになっていきます。

■大人になっても前歯の先端のギザギザが残っているのが気になる…　治療法は？前歯を削るの？

◎歯並びや癖などの原因によっては、正常に前歯を噛み合わせるための治療が必要になる場合も

通常は、すり減りによって永久歯の前歯の先端のギザギザが無くなり、前歯の先端が平らになっていきます。

通常は平らになりますが、以下のような要素があると先端が適切にすり減らず、大人になっても前歯の先端のギザギザが残ってしまう場合も。

1．歯並び・噛み合わせの乱れ

出っ歯、受け口、ガタガタ歯、開咬（かいこう：オープンバイト）など、歯並びが乱れている方は噛み合わせも乱れているケースが少なくありません。

歯並び・噛み合わせが乱れていると永久歯の前歯の先端が適切にすり減らず、前歯の先端のギザギザが残ってしまうことがあります。

≪治療方法≫

• 歯の矯正

咬合誘導による小児矯正、マウスピース矯正・ブラケット矯正（成人矯正）など

• セラミック治療（セラミックの被せ物）

前歯の歯並びの乱れがごく軽度の場合

• MFT（口腔筋機能療法：お口の筋トレ）

口呼吸・舌癖などの悪い習慣・癖が原因で歯並び・噛み合わせが乱れている場合

2．酸蝕症

酸蝕症（さんしょくしょう）とは、

• 橘類の果物・お酢・炭酸飲料などの飲食物に含まれる酸

• 胃酸（嘔吐・逆流で口腔内に戻る胃酸）

• 工業用の酸（無機酸、有機酸など）

などの酸によって歯のエナメル質・象牙質が溶けてしまう疾患です。

酸蝕症では、酸によって歯のエナメル質・象牙質が溶け、前歯の先端がギザギザになることがあります。

≪治療方法≫

• 被せ物

被せ物で前歯の見た目をカバーすると共に、酸の刺激から歯を守る

• 酸度が高い飲食物の摂取を控える、歯が酸にふれる生活環境を改善する

酸蝕症の予防＋酸蝕症の進行を抑えるための方法

• フッ素塗布でエナメル質の再石灰化をうながす

◎通常、歯を削って前歯の先端のギザギザを平らな見た目にすることはありません

永久歯の前歯の先端のギザギザが残っている場合、患者さんによっては「前歯の先端を削れば平らにできるんじゃないの？」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

実際、歯科医療では、

• 噛み合わせの治療（咬合調整）

• 歯の矯正におけるIPR（ディスキング）処置

などで歯のエナメル質を0.2～0.5mmほど削る場合があります。

歯を削る処置を行う場合もありますが、上記の治療・処置で削るエナメル質の量はごくわずかです。永久歯の前歯の先端のギザギザを平らにできるほど、歯は削れません。

また、歯を多く削ってしまうとエナメル質の下にある象牙質が露出してしまい、歯のしみ・歯の痛みが生じるおそれがあります。

【歯の見た目や形が気になる方はお気軽にご相談ください】

ファミリアデンタルオフィスでは、歯並びの乱れ・歯の見た目でお悩みの方のための治療を行っています。歯科矯正、セラミック治療、インプラントの相談費は無料です。

出っ歯など、歯並びの乱れ・歯の見た目でお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。