知覚過敏とは、歯が冷たいものや熱いもの、甘いものなどに触れたときに一過性の痛みを感じる状態のことです。知覚過敏の原因は、歯の表面を覆っているエナメル質がすり減ったり、歯茎が下がったりして、象牙質という神経の近くにある部分が露出してしまうことです。知覚過敏は、日本人の3人に1人は経験したことがあると言われています。
今回はそんな知覚過敏の対処法についてお話します。
目次
■セルフケアでできる知覚過敏の治療法
◎歯磨き粉を変える
知覚過敏用の歯磨き粉には、フッ化物や硝酸カリウムなどの成分が含まれています。これらの成分は、象牙質の細かな穴を埋めたり、神経の興奮を抑えたりして、痛みを軽減する効果があります。知覚過敏用の歯磨き粉は、継続して使うことで効果が現れます。毎日2回以上、歯磨き粉を小豆粒程度につけて、歯を優しく磨きましょう。歯磨き後は、口をすすがないようにしてください。
◎歯磨きの方法を改善する
歯磨きの方法が間違っていると、歯の表面を傷つけたり、歯茎を下げたりして、知覚過敏の原因になります。歯磨きの方法を改善することで、知覚過敏の予防や改善につながります。
◎刺激物を避ける
知覚過敏の症状を悪化させる刺激物を避けることも、セルフケアの一つです。
また、食後はすぐに歯磨きをすることで、歯に付着した刺激物を除去することができます。
■歯科医院で行う知覚過敏の治療法
痛みが強い場合は、歯科医院で治療を受けることが必要です。歯科医院で行う知覚過敏の治療法は、以下のようなものがあります。
◎薬剤を塗布する
歯科医院で行う最も一般的な知覚過敏の治療法は、薬剤を塗布する方法です。歯科医師が、知覚過敏の部位にフッ化物や硝酸カリウムなどの薬剤を塗布します。これらの薬剤は、セルフケアで使う歯磨き粉と同じように、象牙質の細かな穴を埋めたり、神経の興奮を抑えたりして、痛みを軽減する効果があります。効果は一時的で、薬剤がはがれると痛みが再発することがあります。
◎歯科材料でカバーする
薬剤を塗布する方法では効果が不十分な場合や、長期的な効果を求める場合は、なにかしら歯科材料でカバーする方法が適しています。知覚過敏の部位にレジンやセメントなどの材料で覆うことによって、象牙質の露出を防ぎ、刺激が神経に伝わらないようにします。カバーする方法は、薬剤を塗布する方法よりも効果が持続しやすく、見た目も自然です。しかし材料は摩耗したり、剥がれたりする可能性があります。そのため、定期的に歯科医院でチェックしてもらう必要があります。
◎レーザー治療
レーザー治療は、知覚過敏の部位にレーザー光を照射することで、象牙質の細かな穴を閉じたり、神経の興奮を抑えたりする方法です。レーザー治療は、痛みが少なく、即効性が高いという利点があります。レーザー治療は、一度の治療で効果が現れることが多いですが、個人差があります。
【知覚過敏は放置しないですぐにご相談ください】
知覚過敏は、放置しておくと痛みが強くなったり、長く続いたりすることがあります。また、知覚過敏だと思っていたらむし歯や歯周病、その他の疾患であるという可能性もあります。もしかしたら知覚過敏かなと思った方はすぐに歯科医院を受診しましょう。