歯並びを整えることは、見た目だけでなく健康にも影響を与えます。しかし、治療を始める前に知っておきたいリスクや副作用がありますので、今回はそちらについてお話します。
目次
■むし歯、歯肉炎、歯周炎
矯正治療では、矯正装置を使用して歯を動かし、歯並びを整えていきます。
この矯正装置の周りなどはブラッシングが難しく、むし歯や歯肉炎、歯周炎のリスクが高まります。
間食を控えたり、毎日丁寧なブラッシングを行ったりして歯を清潔に保ちましょう。また、矯正治療を受ける前に、むし歯や歯周病の治療を行っておくことも大切です。
■歯根吸収
矯正力が強すぎると、歯の根が短くなる歯根吸収が起こるリスクがあります。また、歯を動かす場合、歯根部と歯の移動量が同じ歯体移動に比べ、歯根部よりも歯の部分を大きく動かす傾斜移動のほうが、歯根吸収を起こしにくいといわれています。
■治療期間の延長
治療期間は患者様によって異なりますが、歯や骨の状態、普段の癖などによって初めに予想された期間よりも長くなることがあります。治療期間が延びる要因として、むし歯や歯周炎の発生、患者様の協力不足、特殊な噛み合わせ、骨の成長発育の量や方向の変化、歯並びに悪影響を与える癖などがあります。
■後戻り
矯正治療を終えても、歯が元の位置に戻ろうとする傾向があるため、一定期間動かした歯を適切な位置にとどめておく「保定」が必要です。歯の位置が安定するまでの保定期間には個人差があるため、治療後も歯科医師の指示を守りましょう。
■治療中の痛み
矯正治療中には、装置などを装着した直後やワイヤーを交換した直後に痛みを感じることがあります。また、冷たいものを飲んだときにしみる知覚過敏があらわれる場合もありますが、数日で改善されます。歯を動かすことによる痛みは最長で1週間程度です。それ以上痛む場合は、歯科医師に相談しましょう。
■皮膚の炎症・アレルギー
矯正装置には様々な金属素材が使用されていますので、金属アレルギーがある場合皮膚の炎症やアレルギー反応を起こす可能性があります。金属を使用しない矯正治療もありますのでご相談ください。
■矯正治療の費用
矯正治療はほとんどの場合が自費診療なので、治療費用についても事前に確認しておくことが大切です。また、治療中に予期せぬトラブルが発生した場合の対応や費用についても確認しておきましょう。
■治療中の食事制限
矯正治療中は、硬い食べ物や粘り気のある食べ物を避ける必要があります。ブラケットが外れたり、ワイヤーが曲がったりするリスクがあるため、注意が必要です。柔らかい食材を選んで、歯に優しく食べるよう心掛けましょう。
■定期的な診察と調整
矯正治療中は、定期的に歯科医院を受診し、装置の調整や歯の状態を確認する必要があります。歯科医師の指示に従い、診察や調整を受けましょう。治療の進捗や問題があれば、遠慮なくご相談ください。
【リスクを知っていればスムーズに始められます】
矯正治療は、単に美しい笑顔を手に入れるためだけではなく、全体的な口腔健康を向上させるための重要な治療です。自分に合った矯正治療を選ぶことで、理想的な歯並びと健康な口内環境を手に入れることがでます。事前にリスクや注意点を知っていることで問題を回避できる可能性もあります。歯並びが気になる方はお気軽にご相談ください。