「セラミックの詰め物・被せ物は欠けや割れが心配…」

「歯科用セラミックが丈夫になったって聞くけど、ホント？」

「欠けにくい・割れにくいセラミックはあるの？」

歯の治療で用いるセラミック、と聞くと、少し前までは「欠ける・割れる」というイメージが少なからずありました。

現在は素材や製造技術が進化して以前の数倍～10倍以上の強度を持つセラミックが登場しており、詰め物・被せ物の欠けや割れは起こりにくくなっています。

今回は「歯科用セラミックが欠け・割れにくくなった理由」および「セラミックの詰め物・被せ物が汚れにくく耐久性が高い理由」についてご説明します。

■歯科用セラミックが欠け・割れにくくなった理由

◎「白い金属」ジルコニアの登場

セラミックの詰め物・被せ物が欠けや割れを起こしにくくなった第一の理由に、金属と同程度、もしくは金属以上の硬さを持つ「ジルコニアセラミック」の登場が挙げられます。

日本国内ではジルコニアは2006年頃から本格的に広まり始めました。その後もジルコニアは進化を続け、現在に至るまで「欠けや割れを起こしにくい丈夫なセラミック」として日本を含めた世界中の歯科医院で用いられています。

ジルコニアは「白い金属」と呼ばれるほど硬いセラミックです。ジルコニウム鉱という金属の酸化物（二酸化ジルコニア）であり、部分安定化ジルコニア粉末を焼結することで強度を高めています。

強度の高さから、ジルコニアは人工ダイヤモンドとして宝飾品にも用いられています。

歯科治療で用いる銀歯（金銀パラジウム合金）が500～800Mpa程度の硬さなのに対し、ジルコニアは1000Mpa前後とセラミックとしては突出した硬さを誇ります。

金属と同程度、もしくは金属以上の硬さを持つため、通常の使用でジルコニア製の詰め物・被せ物が欠けや割れを起こすことはほぼありません（※）。

（※）ジルコニア製の補綴物が絶対に欠けや割れを起こさない訳ではありません。

｛ジルコニアは金属アレルギーを起こしにくい｝

ジルコニアはチタンと同じ遷移金属であり化学的に安定しています。唾液による金属イオンの溶け出しがほぼないため、ジルコニアが原因で金属アレルギーを起こす可能性は極めて低いです。

◎「しなやかな丈夫さと美しさを併せ持つ」e-maxの登場

セラミックの詰め物・被せ物が欠けや割れを起こしにくくなったもう一つの理由に、しなやかな丈夫さと美しさを併せ持つガラスセラミック「e-max」の登場が挙げられます。

日本国内では2009年にe-maxが登場して以来、現在に至るまで多くの歯科医院でe-max製の詰め物・被せ物がセラミック治療に用いられています。

e-max（イーマックス、エンプレス・マックス）とは、ニケイ酸リチウムガラスで作られたセラミックです。二ケイ酸リチウムをガラス結晶に加えることで透明度を保ちながら強度を高めています。

e-maxはニケイ酸リチウムを含んだガラス成分に基づく柔軟性・透明感があり、しなやかな丈夫さ（400Mpa前後）と美しさを併せ持ちます。

しなやかな丈夫さと美しさを併せ持つため、見えやすい前歯はもちろんのこと、負荷がかかりやすい奥歯にも適応できます（※）。

（※）噛む力が強すぎる、または、歯ぎしりや食いしばりの癖がある

場合はe-maxではなくジルコニアを用いることがあります。

■セラミックの詰め物・被せ物が汚れにくく耐久性が高い理由

◎セラミックは吸水性が低いため汚れがつきにくく、耐久性が高い

吸水性とは、物質の「水の吸い込みやすさ」を指します。

セラミックは吸水性が低く、汚れがつきにくい点が特徴です。瀬戸物のお茶碗や湯呑がつるんとしていて汚れがつきにくく洗いやすいことをイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。

保険診療で用いる白い詰め物のレジンはプラスチック樹脂でできています。吸水性が高いため保険の白い詰め物は汚れがつきやすく（黄ばみやすく）、劣化しやすいです。

セラミックの詰め物・被せ物は吸水性が低いため水分による侵蝕を防ぎやすく、耐久性が高いです。毎日の歯みがきと歯科医院での定期的なメンテナンスを続けることで、自然な白さの詰め物・被せ物をより長く保てます。

【進化したセラミックで自然な白さの歯にアプローチ】

素材や製造技術の進化により、以前と比べてセラミックの詰め物・被せ物の欠けや割れは起こりにくくなっています。

特にジルコニアは金属と同程度、もしくは金属以上の硬さを持つため、負荷がかかりやすい奥歯にも使用できる点がメリットです。

これまで「セラミックはもろい」という印象をお持ちだった方も、どうぞご安心して進化したセラミック治療をご体験ください。

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ファミリアデンタルオフィスではセラミック治療に関するご質問やご希望をお伺いしております。セラミックの詰め物・被せ物をご検討中の方はぜひ、当院の無料相談をご利用ください。