健康寿命とは、つまり「病気や障害なく、元気に自立した生活を送れる期間」のことです。つまり、ただ長生きするのではなく、その期間が健康で充実していることが大切なのです。

では、歯の健康は健康寿命とどう関係しているのでしょうか？実は、歯の健康は我々の日常生活に大きな影響を与えています。たとえば、食事や会話、社会との交流など、様々な場面で歯が重要な役割を果たしているのです。

■全身の健康と歯の健康

歯の健康は全身の健康と密接に関連しています。お口の病気の中でも上位となる歯周病は、心臓病や糖尿病といった生活習慣病や認知症などのリスクを高めることが分かっています。また、歯のトラブルがあると食事の量や質が悪くなり、栄養不足や消化不良を引き起こす可能性もあるのです。

また、残っている歯の本数が多い人ほど、全体的に健康で長生きする傾向があることが研究結果でも示されています。また、19本以下の歯を持つ人は、20本以上持つ人と比べて認知症のリスクが高まるとも報告されています。

そのためにも歯医者での定期的な予防処置や検診は、歯の健康はもちろんのこと、全身の健康にも寄与し、結果的には健康寿命の延伸にもつながります。

日頃からの口腔ケアに加え、歯医者での専門的なケアを定期的に受けることの重要性を、改めて認識しましょう。

■予防処置とは

予防処置は、歯の健康のために歯周病やむし歯などの歯のトラブルを未然に防ぐための処置です。定期的な歯科検診やクリーニング、そして日常的なセルフケアがその中心です。

まず、定期的な歯科検診は、歯科医師が歯や歯ぐきの状態を詳しくチェックし、早期に歯のトラブルを発見するために重要です。歯科検診では、歯の健康状態をチェックし、早期に治療するべき部分があれば、治療をはじめることができます。

どんな病気も放置したままでは悪化する一方です。一度悪化してしまうと、治療も困難になり期間も長く、費用も増えます。

◎歯科医院のクリーニング

歯科医院でのプロフェッショナルなクリーニングは、歯垢や歯石を除去し、歯の表面をなめらかにします。その後フッ素塗布や歯磨き指導を行います。これにより、むし歯や歯周病のリスクを軽減し、歯の健康を維持することができます。

◎自宅で毎日のセルフケア

日常的なセルフケアも重要です。毎日の歯磨きでは自分に合った適切なケア用品を使って正しく磨くことが大切です。歯科医院では自分に合ったケア用品や磨き方も教えてもらうことができます。

【全身の健康のためにも予防処置をしましょう】

予防処置は、歯の健康を維持するだけでなく、全身の健康にも影響を与えます。歯周病などは、心臓病や糖尿病などの全身疾患と関連があるとされています。早期発見・早期治療を行うためにも定期的に歯科医院を受診して歯の健康を守りましょう。